公開日:2021年11月25日
構成・文:Yahoo! JAPAN 制作協力:節約アドバイザー 丸山晴美

この冬、首都圏や関西圏など多くの地域で電力需給のひっ迫が懸念されています。家庭でのエネルギー消費の多くを占める暖房をはじめ、さまざまな家電の日常的な使い方を見直すことで節電の効果が期待できます。ここではすぐに実践できる冬の節電対策について解説します。

電力需給がひっ迫する理由は?

この冬、電力が最も使われる時期に電力供給が足りなくなるかもしれないとの見通しを経済産業省が発表しました。カーボンニュートラルや脱炭素社会実現の流れから火力発電が縮小され、稼働中の原子力発電も少なく、電力の安定供給が難しくなっていることなどが理由です。来年2月には電力供給の余力を示す予備率が、7つのエリアで最低限の目安とされる3%台になると予想され、「過去10年で最も厳しい」と言われています。状況によっては計画停電の可能性も考えられます。

出典:資源エネルギー庁「2021年度冬季に向けた電力需給対策について」(外部サイト)

●冬の家庭での電力消費量は多くなりがち
一般的な家庭の電力消費量は夏季よりも冬季のほうが大きくなり、電気代も高くなる傾向があります。総務省統計局が行った調査では、2020年夏季(7~9月)の電気代平均額は約9,774円、2021年冬季(1~3月)では約12,407円となっており、その主な理由のひとつが家庭で長時間使われるエアコンの暖房でした。

出典:総務省統計局 家計調査 「二人以上の世帯のうち勤労者世帯」(外部サイト)

冬は夏よりも外気温とエアコンの設定温度との差が大きくなることが多く、電力消費量が増加します。そこで、まずはエアコンの使い方を工夫、改善することで節電の効果が期待できます。

エアコン暖房の上手な節電方法

節電効果を高めるために、エアコン使用時にぜひ実践してほしいことをまとめました。

●暖房時の室内温度(設定温度)は20度を目安に
環境省が目安としている冬のエアコンの設定温度は20度。外気温6度の時、エアコン(2.2kW)の設定温度を21度から20度にした場合(使用時間:9時間/日)、約1,430円節約できるという試算もあります(※1)。

肌寒いと感じたときはウォームビズを実践しましょう。カーディガンなら+2.2度、ひざ掛けは+2.5度など、1枚プラスすることで体感温度が上げられるとされています(※2)。また家族それぞれの部屋で暖房を使わず、リビングにみんなで集まって過ごすことも節電につながります。
※1 文中の試算条件、節約できる年間電気料金は「資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2020年版」(外部サイト)を参照
※2 出典:東京都環境局(外部サイト)

●暖房効率を上げるための対策
エアコンをオンにする際はルーバーを下向きにしておくのがおすすめです。暖かい空気が床から天井へと向かうことで、部屋全体を早く暖めることができます。足元付近が冷たく感じる場合は、暖かい空気が循環しやすくなるようにサーキュレーターなどを併用するのも有効です。

エアコンのフィルターは目詰まりしないように、2週間に1回程度は掃除機でほこりを吸い取るか水洗いをしましょう。汚れたままにしておくと暖房効率が下がり、電力消費量が増えてしまうことがあります。また室外機の吹き出し口の周りには物を置かず、空気の通りをよくしておくことも大切です。

●湿度を調整して体感温度を向上
空気が乾燥する冬は室内の湿度も低くなり、寒く感じやすくなります。加湿器などを使用して、一般的に快適な湿度とされている40~60%にすると、体感温度が上がりエアコンの温度設定も低めに抑えられます。加湿器がない場合は、室内に洗濯ものを干すだけでも湿度を上げることができます。

●部屋を暖かく保つためのひと工夫
晴れた昼間はできるだけ太陽の熱を室内に取り込み、日が沈む前に天井から床まである厚手のカーテンを閉めて保温することを心がけましょう。窓に貼る断熱シートや、サッシやドアなどに使う隙間防止テープなども併用することで、エアコンの設定温度を上げなくても過ごしやすくなるでしょう。

エアコン以外の暖房機器を使用する場合も、節電を意識して使いましょう。電気カーペットは断熱マットを敷くと、床から熱が逃げずに暖房効率が上がります。またファンヒーターを併用する場合は、窓の下に設置すると床に落ちる冷気を暖めてから室内に循環させることができ効率的です。ただしその際は、カーテンなど燃えやすいものの近くに置かないように注意してください。

エアコン暖房時の上手な換気

冬は部屋を暖かく保つために窓を閉め切りがちですが、現在の生活習慣の中では換気も気になります。ここでは節電しながら効率的に換気する方法について紹介します。

※出典:ダイキンホームページ(外部サイト)

●冬の窓開け換気時のエアコンはオンのままで
一般的な家庭用エアコンは空気を循環する仕組みのため換気は行っておらず、定期的な窓開け換気などが必要です。しかし、エアコンで暖房しながら窓を開けていると、暖房効率が下がったり、電気代が余計にかかったりしそうで気になります。

ダイキンが行った検証(※3)では、冬の朝から夜まで(7:00~23:00)30分に1回、5分間の窓開け換気なら、エアコンを小まめにオン・オフするよりも、オンのままのほうが電力消費量は少ないという結果に。電気代も1日で約14.5円少なくできるそうです。さらに同時に加湿を行うことで、快適な湿度を保ちやすいとされています。
※3 出典:ダイキン「冬に窓開け換気をする場合、エアコンの運転はどうしたらいいの?」(外部サイト)

日常の家電製品の使い方をチェック

さまざまな家電製品の使い方を見直すことも節電・節約に役立ちます。ここでは具体的な方法を紹介します。

出典:資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2020年版(外部サイト)

●家電の使用状況をチェックして節電
日照時間が短くなる冬は、照明の使用時間が長くなりがちです。電球や蛍光灯を買い替える際はLEDランプやシーリングライトなどで省電力化を図りましょう。1日5.5時間点灯した場合、LEDランプなら白熱電球(60W相当)に比べて、年間電気料金は約2,410円節約できます。

詰め込みがちな冷蔵庫ですが、冷気がスムーズに通りやすいように庫内を整理しましょう。ものを詰め込みすぎずに半分程度にした場合、年間約1,180円の節約となります。また、冬は庫内の温度を「弱」に設定するのもおすすめ。開閉はできるだけ少なく、熱いものは冷ましてから入れることなども大切です。

炊飯器でご飯を保温する時間の目安は4時間。それを過ぎると電子レンジで温め直すほうが節電になります。7~8時間以上保温すると、もう一度炊飯する以上に電気代がかかってしまいます。1日に7時間保温し、プラグをコンセントに差したままの場合と、保温せずにプラグを抜いた場合を比べると、年間で約1,240円の違いがあります。

冬は暖房便座の温度設定を上げたくなりますが、春・秋を含めて中から弱に一段階下げた場合、年間で約710円の節約ができます(貯湯式、夏の一定期間はオフ)。便座のひんやりが気になる方は100円ショップなどで売られている、貼るタイプの便座シートがおすすめです。

●ライフスタイルの見直しも実施
冬に活躍する保温ポットは節電モードに設定しましょう。頻繁にお湯を使わないなら、その都度必要な分だけ沸かすほうが節電になります。食器や洗濯ものはまとめて洗って、食器洗浄機や洗濯機の乾燥機能などの使用回数を減らすように習慣づけを。テレビやパソコン電源の入れっぱなしにも注意が必要です。家電を買い替える時期なら、家電製品の省エネ性能を示す「省エネラベル」を参考にして、省エネ性能が高いものを選ぶとよいでしょう。

また省エネという観点ではガス、特に冬は風呂給湯器の使い方にも気を配りましょう。お湯をためた浴槽にはフタをする、間隔を空けずに入浴して追い炊きをしない、シャワーを流したままにしない、などに気を付けることで省エネ効果を高めることができます。


制作協力
丸山晴美(節約アドバイザー)
ファイナンシャルプランナー(AFP) 消費生活アドバイザーなどの資格を持ち、日々のやりくり術や運用方法などを、各メディアや講演などで紹介している。「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)など著書多数。1年間で100万円貯める、オンラインコミュニティサロン「女性のための夢を叶える!お金の教室」を開設。

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