「優先接種できます」「予約代行します」自治体などを装うワクチン詐欺に注意を

 

取材・文:榎並紀行(やじろべえ) 制作協力:警視庁犯罪抑止対策本部

新型コロナウイルスワクチンの接種が全国で始まって以降、「ワクチンの優先接種」や「予約代行」をかたる詐欺の予兆電話※が相次いでいる。接種開始直後で情報が行き届かない状況や予約の混乱につけこむ悪質な手口。警視庁犯罪抑止対策本部の手塚尚巳警視は「今後、ワクチン関連の詐欺電話は増えていくと予想されます。注意してください」と呼びかける。

※正式には「犯罪予兆電話」といわれる、事前に資産状況や家族構成などを探る電話のこと。アポ電(アポイントメント電話)とも呼ばれる。

「お金の話」が出た時点で詐欺

2021年に入り、東京都内の新型コロナウイルスに関連する特殊詐欺の認知件数は18件、被害額は約2700万円に上る(5月18日時点)。被害者は主に70代80代の高齢者。特別給付金の支給や年金に係る援助金を装うものなど、手口は多様かつ巧妙だ。

警視庁には、「ワクチン」という言葉を使った予兆電話の相談も寄せられている。都内で高齢者向けのワクチン接種がスタートした翌日の4月13日には、都内在住の高齢者のもとに「コロナのワクチン接種について封筒を送っています。昨日の期限までに返信がなかったため連絡しました」との電話があった。また4月30日には「コロナの予防接種の予約日はいつにされますか?」という内容の電話が確認されている。

「他にも、『PCR検査とワクチン接種をセットで行うことができます。1泊していただく必要があるため、予約金を振り込んでください。お金は後日、還付金として戻ってきます』などという内容の電話もありました。犯人はさまざまな言葉で誘いをかけますが、"お金の話"が出た時点で詐欺と判断し、すぐに電話を切ってください」(手塚警視、以下同)

そもそもワクチンの接種に費用は一切かからない。「宿泊料」に限らず「予約金」「予約代行料」など、どんな名目であっても、「お金が戻る」などと言われても、金銭の要求には絶対に応じてはならない。接種予約に関連し、個人情報や預金残高などの情報を聞かれた場合も同様だ。

▲警視庁が作成した、詐欺被害防止の啓発チラシ

不審な電話には応じず、すぐに110番を

「予約電話がつながりにくい」といった混乱を受けて、自治体によっては役所にワクチン予約のサポート窓口を設けたり、1人暮らしの高齢者の自宅を訪れてネット予約を代行するなど、支援体制を強化している。これに乗じ、区役所職員や保健所職員を装いサポートを申し出るケースもあり、注意が必要だ。国民生活センターのウェブサイトには、以下のような相談事例が紹介されている。

"先日、自宅マンションに「新型コロナワクチン接種の予約がなかなかとれないので、予約の代行をします」と男性が訪ねてきた。「市役所から来ました」というので部署名や担当者の名前を尋ねたところ、ごまかして帰って行った。料金については何も言っていなかった。"(相談者:40歳代 男性)

"高齢の母親が住む自治体の職員を名乗った電話があり、「新型コロナワクチン接種の申し込みを受け付けた。役員が説明に伺うので都合のいい日を教えてほしい。住所はこれで合っているか」と住所の確認をされたうえ、翌日の午後に約束をしたそうだ。予防接種の予約はしていないが、母は娘である私が予約をしたと思い、質問に答えたそうだ。" (相談者:60歳代 女性、母親:80歳代)


一方で、「市などから委託を受けた業者」を装うケースもある。警視庁でも「市から委託を受けている。コロナのワクチン注射を受けますか?」という電話を確認している。

「こうした不審な電話や訪問があった場合はその場で応じず、お住まいの自治体へ確認するか、110番もしくは警察相談専用電話(#9110)におかけください。また、この記事を読まれた方は、ご両親やご高齢の親戚の方にもぜひ注意喚起をお願いしたいと思います」と手塚警視。最近は自治体だけでなく、民間でもワクチン予約の無償サポートを手助けする動きが広がっている。こうした善意のサポートと詐欺を判別するのは困難だが、少なくとも自ら申し込まない限り、電話がかかってくることは考えられない。

110番のほか、国民生活センターでもワクチン接種に関連した無料の電話相談を受け付けている。少しでもおかしいと感じたら、すぐに相談を。

ワクチン詐欺被害に遭わないための主な対策

・厚生労働省、首相官邸の公式ホームページなどで、ワクチンに関する正しい最新情報をチェックする
・留守番電話などを活用し、身に覚えのない番号からの電話に出ない
・電話でどんな申し出を受けても、その場で応じない。個人情報に係る質問には(例え名前や年齢だけでも)答えない
・不審な電話があった場合は「110番」、または「#9110」、または消費者ホットライン(188)などに相談する

<無料の電話相談>
・国民生活センター「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」
0120-797-188(毎日、午前10時から午後4時まで)

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