小学生からの質問に答えます 子ども向け・新型コロナワクチンQ&A

 

構成・執筆=末吉陽子(やじろべえ) 制作協力:岡田 玲緒奈医師(千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター特任助教、小児科専門医、博士(医学))、内田 舞医師(ハーバード大学 Assistant Professor、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、米国小児精神科専門医)

新型コロナウイルスワクチン(以下、コロナワクチン)は、大人だけではなく子どもにとっても大きな関心事です。そこで、「子どもから質問を受けた場合に、どう答えればいいか分からない」という親御さん向けに、想定問答を用意しました。小学校低学年、高学年それぞれの年代で抱えそうな疑問へのかみ砕いた回答例を、小児科専門医の岡田玲緒奈(おかだ・れおな)先生、内田舞先生に教えてもらいました。
※更新履歴:2022年1月28日 5歳~11歳へのワクチン接種承認に伴い、一部内容を修正しました。

小学校低学年(1年生から3年生)向けの想定問答


低学年児童は現時点では接種対象年齢ではありませんが、新型コロナそのものや、コロナワクチンの役割など、大人から見聞きするであろう基本的な疑問を分かりやすく説明します。
Q1:コロナってなに? A:「新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)」という病気のことです。新型コロナウイルスはヒトの身体に侵入して悪さをする小さくて目に見えないもの(「病原体」といいます)の中でも、ウイルスと呼ばれるものの一種です。新型コロナウイルスが体の中に入ると、熱が出たり、せきが出たり、においや味が分かりにくくなったりします。吐き気や下痢などの胃腸炎の症状がみられることもあります。重い肺炎になったり、他の大事な臓器に障害が起きたりして、とても具合が悪くなることがあります。体の中の新型コロナウイルスは勝手に増えて、ほかの人にうつってしまうので、マスクをしたり手洗いをしたりと気をつけなくてはいけません。
Q2:コロナワクチンってなに? A:まずは免疫(めんえき)とワクチン全般について説明しましょう。人間の身体には身体に入ってきた細菌やウイルスなどの病原体をやっつける「免疫」という仕組みがあります。免疫は、前に戦ったことがある病原体のことを覚えていて、次にまた同じ相手がやってきたときは、具合が悪くなる前にやっつけてくれます。病原体の起こす病気を感染症といいますが、とても怖い感染症もたくさんあり、一度もかかりたくありません。そこで、実際に感染するよりも安全に身体に戦い方を覚えてもらうために、人間に害がないくらい弱らせた病原体や、病原体の部品を注射などでヒトの身体にいれます。今のところ日本で子どもに使われるワクチンは、mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチンというものです。これは、病原体の部品自体ではなくて、病原体の部品の設計図をヒトの細胞に入れて、部品はヒトの身体の中で作らせる仕組みになっています。

Q3:子どもはワクチンを打たなくていいの? A:新しいワクチンやお薬は、みんなに使う前にちゃんと効くか、危ないことが起きないか、しっかりテストをしないといけません。このテストは元気な大人からはじめて、大丈夫なことがわかったら、年齢を少しずつ下げてテストしていきます。コロナワクチンもこのテストをしています。いま日本では12歳より年上の人のテストの情報をもとに、ワクチンを打てるのは12歳からと決まっています。アメリカでは5~11歳の子ども達にとってもワクチンは安全で有効だったというテストをふまえて、11月のはじめから5~11歳の子どもへの接種がはじまっています。日本でも5歳から11歳の子どもたちへのワクチン接種が承認されたので、2022年3月から打ち始める予定です。

Q4:ワクチンを打ったらマスクをしなくてもいい? A:ワクチンを打っても、もう少し頑張ってマスクをつけた生活を続けることが大切です。ワクチンを打つと、新型コロナウイルスにかかりにくくなったり、ほかの人にうつしにくくなるのは分かっています。でも、ワクチンの予防効果は100%ではありません。このため、新型コロナがとてもはやっているときには、ワクチンを打った人でも、かかってしまう人が少しいます。ワクチンを打ったうえで、みんなでマスクをしたり、人混みに行かないようにしたりして、ウイルスがあまりいなくなるようにするのが目標です。

Q5:ワクチンの注射は痛くない? 痛みは人によって感じ方は違うので、絶対に痛くないとはいえません。でも、私も含めて、周りの人に聞いてみると「あまり痛くなかった」という人が多いです。心配なようでしたら、すでにコロナワクチンを打ったおうちの人に聞いてみるのも良いと思います。

小学校高学年(4年生から6年生)向けの想定問答



コロナワクチン接種の対象年齢に近づいてくる年代です。大人でも説明しづらい、接種に対する疑問や不安に、分かりやすく説明します。
Q1:コロナワクチンを打ったらもうコロナには感染しないの? コロナワクチンを2回打つと、打っていない人と比べてずっと、新型コロナにかかりにくくなります。ワクチンを打ってから時間がたつと、症状が少しも出ないくらい防ぐ効果については徐々に下がってきますが、もしかかっても症状が軽く済むという効果は長く続くことも分かっています。ワクチンを打つのは最終目標ではなく、世の中全体で新型コロナにかかっている人を減らして、この感染症を抑えて、元の生活に戻っていくことが大事な目標です。そのためにはマスク、手洗い、といった感染対策はこれからも頑張っていきましょう。

Q2:コロナワクチンを打ったら運動会や卒業式はできるの? これにはいろいろなことを考えなくてはいけません。たとえば、運動会や卒業式の時期に、どれだけ新型コロナがはやっているかということが大事です。あまりにもはやっていたら、うつったりうつしたりする可能性が高まるので、学校やお医者さんたちが、正しい情報をもとに実施できるかを判断すると思います。その他にも、換気のいい屋外でやるのか、それとも室内でやるのか、どのくらいの人数でやるのか、参加者がマスクはきちんとつけられるか、大きな声を出す場面はあるか、などを総合的に考える必要があります。
学校内にコロナワクチンを打っている人が多ければ、それだけ防ぐ力が上がりますので、先生や生徒のどのくらいの人数がワクチンを接種しているかということも判断に関わるかもしれません。

Q3:コロナワクチンを打った大人が苦しそうにしていたけど、子どもは平気なの? A:コロナワクチンを打ってから少し時間がたつと、打ったところが痛くなったり、頭が痛くなったり、熱が出たりすることがあります。このことを「副反応(ふくはんのう)」といいます。風邪を引いたとき熱が出てもしばらくすると良くなるのと同じように、副反応の症状が出てもほとんど2~3日で回復します。熱を下げるお薬を飲むこともできます。また海外のテストでは、大人と比べて、子どもだけに出る特別な重い副反応はありませんでした。副反応が出るということは、コロナワクチンがちゃんと免疫を刺激する効果があることを示しているともいえます(かといって、個々人のレベルで副反応がなかったからといって、効いていないというわけではありません)。 ちなみに5~11歳のワクチン接種に関しては、大人や高校生よりも副反応が少ないようです。

Q4:どうして6年生は打てて、5年生は打てないの? A:新しく登場したコロナワクチンは「臨床試験(りんしょうしけん)」といって、いろいろな年齢で効き目や安全性をテストします。この対象年齢はだんだん下げていくものなので、いまのところ日本では、12歳以上の人の臨床試験の結果から、12歳以上の人がコロナワクチンを打つ対象になっています。5歳から11歳の人にも、新型コロナワクチンを使う許可が下りたので、2022年3月から打ち始める予定です。アメリカでは5~11歳の子どもにもすでに接種がはじまっています。

Q5:コロナワクチンはなぜ2回打たないといけないの? A:ワクチンというものは、打つと免疫(低学年Q1参照)が反応して、病原体(病気を引き起こすもの)との戦い方を覚えるわけです。分かりやすく言うと、ワクチンは練習試合のようなものです。ワクチンの種類によりますが、1回よりも何回か打つと戦い方を学ぶ機会が増えるので、病気を防ぐ力があがるものがあります。コロナワクチンについても、1回でなく2回打つことで十分な効果が得られるというデータが出ているので、2回打つのです。


制作協力

岡田 玲緒奈(医師)
千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター特任助教、小児科専門医、博士(医学)
内田 舞(医師)
ハーバード大学 Assistant Professor、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、米国小児精神科専門医

イラスト:Aflo

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