中学生・高校生からの質問に答えます 子ども向け・新型コロナワクチンQ&A

 

構成・執筆=末吉陽子(やじろべえ) 制作協力:岡田 玲緒奈医師(千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター特任助教、小児科専門医、博士(医学))、内田 舞医師(ハーバード大学 Assistant Professor、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、米国小児精神科専門医)

新型コロナウイルスワクチン(以降、コロナワクチン)は、大人だけではなく子どもにとっても大きな関心事です。そこで、「子どもから質問を受けた場合に、どう答えればいいか分からない」という親御さん向けに、想定問答を用意しました。中学生、高校生に分け、それぞれの年代で抱えそうな疑問へのかみ砕いた回答例を、小児科専門医の岡田玲緒奈(おかだ・れおな)先生、内田舞先生に教えてもらいました。

中学生向けの想定問答


コロナワクチンを接種することに対する疑問や、学校生活への影響、周囲から耳にした不安など、情報に多く接する中学生世代に分かりやすく説明します。

Q1:コロナワクチンについて「打ったら死んだ」とか「打ったら危険」と言う人がいるけど、本当に大丈夫なの? A:時系列でいくと、コロナワクチンを打ったあとに亡くなった人はいますが、それが「コロナワクチンのせいで」亡くなったとは言えません。死因とコロナワクチンの関連(因果関係といいます)を確認することは簡単ではないのですが、今のところ日本では、ワクチンのせいで亡くなった人はいないということが、厚生労働省から発表されています。またアメリカ・疾病対策予防センターでの調査では、ワクチンを打った人と打っていない人で、一定期間の死者数に差はなかったと発表されています。

ちなみに、若い男性はワクチンの接種で起こる症状(副反応といいます)に、心臓の筋肉に炎症が起こる「心筋炎」がまれにあると言われています。多くは軽症ですが、もしワクチン接種から一週間以内に「胸が痛い」「動悸がする」「息が切れる」という症状があったら、病院を受診しましょう。

Q2:感染者が減ってきたのに、どうしてワクチンを打つ必要があるの? A:一時期にくらべると、ワクチンを接種した人が増えたり、皆さんが感染対策を徹底し続けていることで、かなり感染状況が落ち着いてきました。しかし、新型コロナウイルスへの免疫(身体が新型コロナウイルスに抵抗して守る能力)をつけた人が多い状況にしておかないと、感染対策をゆるめたときにまた流行ってきてしまいます。そもそも、コロナワクチンは、感染に先立って免疫細胞に新型コロナウイルスとの戦い方を教えさせておく「予防策」です。接種してから免疫がつくには時間がかかりますし、流行の真っただ中にやっても間に合わないので、感染が落ち着いているときにこそやるのがよいのです。

Q3:ワクチンを打ったら学校や部活は休んだ方がいいの? A:ワクチン接種から1~3日のうちは、頭痛や熱などの副反応が出やすいです。大事な行事の直前には打たず、日程を調整することをおすすめします。もし接種後に熱が出ていたり、具合が悪くなったりしたら、学校や部活は休んで安静に過ごしましょう。また若い男性は心筋炎(Q1参照)を起こす可能性がまれにありますが、「ちょっと胸のあたりが痛い、違和感がある」などの症状がなければ、無理に運動を控える必要はありません(症状がある場合は運動を止めて、すぐに受診して下さい)。しかし、特に副反応がなかったという中高生もいるので、特別に気を遣いすぎなくてもいいかもしれません。

Q4:インフルエンザのワクチンみたいに毎年受ける必要があるの? A:これはまだはっきりとは決まっていません。いまのところ、日本では医療従事者など一部の大人を対象に、3回目の追加接種を検討しています。コロナワクチンの接種が毎年必要になるかどうかは、新型コロナウイルスの流行状況によって変わってくると思います。

高校生向けの想定問答



コロナワクチンの副反応だけでなく、将来への不安、周囲の接種是非判断など、複雑な疑問を分かりやすく説明します。
Q1:10代の副反応はどんなことが起こるの? A:高校生世代では、副反応の種類は大人と変わりませんが、発生頻度は少し上がるというデータが出ています。「接種した場所や腕の痛み」「発熱」「全身がだるくなる」など、大人と同じような副反応です。いずれも数日でおさまりますし、しんどいときは市販の解熱剤を使っても大丈夫です。
また「モデルナアーム」と呼ばれる、腕が赤くなったりかゆくなる副反応がありますが、他の副反応と異なり、接種後少し時間(1週間後という人も)がたってから症状が出ます。こちらも自然におさまりますが、症状が重い場合は抗アレルギー薬などが少しかゆみを抑えてくれることもあるので、医療機関(内科や皮膚科でよいと思います)を受診してください。なお「モデルナ」アームと言われますが、ファイザー製のコロナワクチンでも起こります。
ほかに、リンパ節炎(脇や首などのリンパ節の痛み、腫れ。完全にひくまでに4週間ほどかかることも)や、若い男性でみられる、心筋炎(中学生Q1を参照)といった副反応も、頻度は低いですが注意が必要です。
Q2:将来、からだへの影響はないの? A:長期的な影響については、最初に打った人から1年あまりしか経っていないので、絶対にないとは言い切れません。ただし、コロナワクチンの成分である「メッセンジャーRNA」は、細胞の中に壊される仕組みがあり、体の中で役目を果たしたあと早々になくなってしまいます。ですから、ワクチンの成分自体が身体の中に長く残留することは想定されていません。
となると、長期間後の副反応のメカニズムとして考えられるのはワクチンでついた免疫が何らかの形で良くない方向に働いてしまうことです。しかしこれも、これまでのワクチンの経験から、6~8週後までには出るとわかっています。世界中ですでに何億回も打たれたワクチンですが、今のところこのような副反応は認められていませんので、長期間経ってから何か起きてくるということは非常に考えにくいということになります。


Q3:コロナワクチンを接種しないと将来不利になる? A:海外では、職業や学校によってはコロナワクチンの接種を義務化したり、非接種者に隔離を義務化した国もあります。日本では、こうしたことにはならないのではないかと予想しています。ただ、少し質問の趣旨からはずれるかもしれませんが、受験シーズンに新型コロナに感染してしまったら入試を受けられなくなる可能性もあるかもしれないという理由で、むしろみなさんや親御さんの方から、接種を希望されるケースは経験しています。

Q4:「親はコロナワクチンを打たせたくない。子どもは打ちたい」という場合はどうしたらよいか? A:まずは両者で話し合いをするのが第一歩です。なぜ親はワクチンを打たせたくないのか、子どもはなぜ打ちたいと思っているのか。理由を聞いたり、ワクチンに関する情報を共有したりと、コミュニケーションを通してお互いの考えを理解する努力をしてみることをおすすめしたいです。もちろん両者が納得しての接種が理想ではありますが、日本では16歳以上なら親の同意なしでも接種はできます。

制作協力

岡田 玲緒奈(医師)
千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター特任助教、小児科専門医、博士(医学)
内田 舞(医師)
ハーバード大学 Assistant Professor、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長、米国小児精神科専門医

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